ハイブリッドセラミックとは？利点と欠点をわかりやすく紹介

近年では、見た目をきれいにしたいという理由から、虫歯治療の際に銀歯や金歯ではなく、白いクラウン（被せもの）やインレー（詰めもの）を選ぶ人が増えています。

しかし、セラミックに代表されるように、白いクラウンやインレーは高額というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか？
そこで選択肢としてハイブリッドセラミックを提案する歯科医院もあります。

この記事では、ハイブリッドセラミックとは何かを詳しく説明していきます。
インレーやクラウンの素材としてハイブリットセラミックを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

ハイブリッドセラミックとは

ハイブリッドセラミックとは、クラウンやインレーの素材のひとつです。
虫歯治療で使用する白色のクラウンやインレーには、代表的なものでそれぞれ以下の3種類があります。

<代表的なクラウン・インレーの種類>

• ・レジン
• ・ハイブリッドセラミック
• ・オールセラミック

この中で最も費用を抑えられ、保険適用となるのがプラスチックなどの合成樹脂でできたレジンです。
一方、オールセラミックはすべて陶器の材質でできており、保険適応外のため、比較的高額になります。

ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンの混合物、つまり陶器の粉末と合成樹脂（プラスチック）を混ぜ合わせた素材のことです。
これは正確にはセラミックとは別物で、ハイブリッドレジンやハイブリッドセラミックレジンと呼ばれることもあります。
また保険適応のハイブリットセラミックもあります。

ハイブリッドセラミックの利点

ハイブリッドセラミックには、さまざまな利点があります。

利点1．強度と耐久性

ハイブリッドセラミックは、プラスチックにセラミックの粉末が加わることで、レジンと比較すると強度と耐久性が増します。

また、ある程度柔軟性があり比較的割れにくいのが特徴です。

利点2．審美性

比較的短期間で着色してしまうレジンに比べると、ハイブリッドセラミックは変色しにくい性質を持ちます。
また、色のバリエーションもあるので、レジンよりも天然の歯に近い色のクラウンやインレーを作製することができるでしょう。
なおハイブリッドセラミックは、セラミックとプラスチックを混ぜた素材でできているので、金属アレルギーの心配がありません。

利点3．費用

ハイブリッドセラミックの価格は、100％陶器の素材でできたオールセラミックと比較すると安価に設定されています。
※ハイブリットセラミックにも様々な種類があり、使用するハイブリットセラミックの種類や歯科医院により価格が変わる場合があります。

また近年、保険適用のブロックを使用したCAD/CAM冠（キャドキャム冠）限定で、ハイブリットセラミックの保険適用の幅が広がっています。
2020年の保険改定により、前歯の治療にもCAD/CAM冠ハイブリッドセラミックが保険適用されるようになりました。※CAD/CAM冠の取扱医療施設のみ保険適用可能

<CAD/CAM冠ハイブリッドセラミック（クラウン）の保険適用>

• ・中切歯、側切歯、犬歯（中央から数えて1、2、3番目の前歯）
• ・第一小臼歯、第二小臼歯（中央から数えて4、5番目の奥歯）
• ・下の第一大臼歯（中央から数えて6番目の奥歯）
• ・上下の第二大臼歯が4本とも残っている場合に限り、上の第一大臼歯（中央から数えて6番目の奥歯）
• ・金属アレルギーを持つ方は全歯適応可

※インレー（詰め物）は適応外になります。
※いずれもCAD/CAM（キャド・キャム）システムを使用したクラウン（かぶせ物）治療に限られます。

歯科CAD/CAMシステムは、3Dカメラでスキャンした情報を元にコンピューターがかぶせ物を設計します。設計データをもとに切削加工機が歯の色のブロックを削り出し、かぶせ物を製作します。

ハイブリッドセラミックの欠点

ハイブリッドセラミックには利点がある一方で、いくつかの欠点も存在します。

欠点1．強度と耐久性

ハイブリッドセラミックは、プラスチック素材を含んでいるため、オールセラミックに比べて強度や耐久性が劣ります。
より強い力が加わる奥歯には、強度不足となってしまうこともあるので注意が必要です。

利点2．審美性

プラスチックの特性によりわずかながら水分を吸収するので、変色が起こることがあります。
また、オールセラミックと比べて透明感と色調の細かさで見劣りします。

利点3．費用

ハイブリッドセラミックは、CAD/CAM冠の取扱医療施設（申請済み歯科医院）以外では保険適用外となります。
自由診療のため、歯科医院によっては高額に設定されていることもあります。
事前にきちんと金額を確認しておきましょう。

メリットとデメリットを知ったうえで歯医者さんと相談を

いかがでしたでしょうか？
ハイブリッドセラミックの特徴と利点や欠点について解説しました。
虫歯治療や銀歯からの入れ換えでクラウンやインレーの素材を選ぶ際は、ぜひ参考にしてみてください。

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