歯の被せ物・セラミックとは｜ノア歯科クリニック表参道

こんにちは。ノア歯科クリニック表参道の坂田です。

【患者様からいただく疑問にお答えさせていただくQ&A】

本日は、セラミックについて。

セラミックとは？

簡単にいうとセラミックとは、無機物を高温で焼き固めた物体（焼結体）です。

書籍から引用すると「セラミックス（Ceramics）とは、人為的な処理によって製造された非金属・無機・固体・材料を一般的に表す」※等と言われています。

※「これだけは知っておきたいセラミックスのすべて」日刊工業新聞社

セラミックは下記のような優れた点があります。

・硬い

・耐摩耗性

・耐熱性

・耐腐食性

・電気絶縁性　など

セラミックは代表的なものに、陶磁器やガラス、セメント、ファインセラミックなどが挙げられます。

特にファインセラミックは、上記の性質に加えて、優れた性質、高度な機能を持つセラミックです。歯科医療分野でもこのファインセラミックが使われており、その他にも半導体や自動車、情報通信、産業機械などさまざまな分野で用いられています。

歯の詰め物や被せ物などでも使用される、このファインセラミックは、組成や形状、製造行程を精密に制御して、新しい機能や特性を持たせています。

要は高性能なセラミックです。

セラミックの分類

歯科の修復物で使われているセラミックは、材料で分けると大きく2つに分けられます。

透明感のある二ケイ酸リチウムは、シリカ系セラミックで、物性の優れたジルコニアは、酸化セラミックです。

また、別の分け方をすると大きく3つに分類されます。

1．粒子分散強化型セラミック

セラミックスマトリックス中に、いろいろな高硬度の粒子（二ケイ酸リチウム、リューサイト、雲母、石英、アルミナ等）を20～40％配合（混合分散）し、それを焼成して作るセラミック。

【 代表的な製品 】

・セラエステ：トクヤマデンタル社

・Dicorシリーズ：Dentsply社

・クリセラ：デントセラム社

・Empressシリーズ：Ivoclar社

＜参考＞Empressシリーズ

「Empress」

リューサイト強化型ガラス曲げ強度160MPaを達成。

⇩

「Empress2」

二ケイ酸リチウムが強化粒子として採用され、更に強度上昇。

⇩

「e-MAX」（Empress Max）

プレスタイプの粒子分散強化型セラミックでは、最高の曲げ強度400MPaを達成。

CAD/CAM型登場。

※曲げ強度とは、試験片が破断する際の最大荷重で表したもの。

2．ガラス浸透型セラミック

このセラミックは、多孔質の結晶体に、高温で溶融したガラス（ケイ酸ランタンガラス）を浸透させながら、焼結させます。

【 代表的な製品 】

◼️インセラム・アルミナ（透明度低い）、インセラム・スピネル（透明度UP）、インセラム・ジルコニア（強度UP）：Vident社
インセラムシリーズは、CAD/CAMでも加工可能。

3．高密度焼結セラミック

このセラミックは、高密度に配列された結晶構造体です。

【 代表的な製品 】

◼️Lava Plus ：3M ESPE社

◼️ZENOSTAR：WIELAND社/大信貿易

◼️KATANA Zirconia：クラレノリタケ社

◼️inCris TZI：シロナ社

◼️Cercon：Dentsply-sankin社　等

・曲げ強度：1000MPa～1400MPa

・靭性(粘り強さ)：10MPa/m1/2

これらの各ジルコニアは、一般的なガラスセラミックと比較し、驚異的な物性を誇り、壊れにくい特徴があります。そのため、失った歯を補うための長く繋がったブリッジとしても使用可能です。

特に、粒子が緊密に配列し結晶化しているジルコニアセラミックは、汚れがつきにくく、バイオフィルム（細菌の塊）が形成されにくい素材です。また、生体に対して親和性が極めて高い（なじみやすい）ため、体に優しい素材でもあります。

ノア歯科クリニック表参道では、患者さまの口腔内の状態や全身状態・背景・ご希望などを踏まえ、あなたに合ったセラミックをご提案させていただきます。

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